●● レビュー
Comedian
リチャード・プライヤー自身のプロダクション「インディゴ」が製作したニューオリンズで行われたスタンダップコメディ・ライブの映像。
私がこの作品を見る前に起きたある事件(*1)が絶対に関係しているのだけど、「コメディアンとは」というコメディアンのあるべき姿が、全てこの映像には詰まっているように思える。ショーマンとしての徹底したリチャード・プライヤーの姿。突然ファンが立ち上がって「サインくれ」と、舞台の雰囲気をぶち壊したとしても、プライヤーはそのファンを餌食にしながら笑いに変えていく。もちろん、そのファンには「こんな時にぶち壊して...」という事実も、笑いで伝える。なので、そのファンもその事実に気が付いて恥ずかしい思いはするけれど、怒る事は決してない。しかもちゃんとサインまであげちゃう、その姿。これが、オープニングです。この作品は、ずっとこんな感じです。あり得ないハプニングに見舞われながらも、プライヤーの徹底したプロフェッショナルな技術で、全てが素晴らしい笑いに変わっていく。
信じられないような野次まであるのに、プライヤーは決して怒らない。むしろ喜んで笑いに変えていく。けれど、その野次をも笑いのファクターを通じて、その人達に何かを訴えかける。笑いの本当に素晴らしさを教えてくれる大切な作品。
(*1-コメディアンのマイケル・リチャーズのお客への「Nワード」発言)
(Reviewed >> 12/16/06:DVDにて観賞)