●● レビュー
Strong and Black...Freedom Songs
オーウェン(ヴィセロアス・レオン・シャノン)は、ミシシッピで生まれた。生まれたときから怒っていたという。ミシシッピに蔓延る人種差別がその理由。小さい時に、白人専用のバス待合所に入ってしまい、父のウィル(ダニー・グローバー)が白人に言われた通りにオーウェンのお尻を叩かれてからは、父にいつも反発していた。時代は流れ、オーウェンの住む町にもSNCC(学生非暴力調整委員会)が来て、オーウェンはその活動に夢中になるが...
この映画を見るうえで一番重要で知ってもらいたいのが、ミシシッピという州。公民権運動でも一番手ごわかった州で、NAACPのメドガー・エバースが活動していたが暗殺された。その一番苦境の中に居たのが、ミシシッピの黒人達。その彼等の戦いが描かれている。上に書いたSNCCやNAACP、そしてCORE等の団体名が沢山出てくる。そしてそれら団体のそれぞれの役割や果たした活動が垣間見られる。シットイン(座り込み)や行進を指導したSNCCの若い面々。お金や重要な法律関係で力を発揮したNAACP、そして肝心な所で助けに入ったCORE。でもこの映画では、それに参加した一般の人々がどのように活動に参加していったかも描かれている。そして子供達が大人に向かって「俺たちはまた選挙権がないんだから、これは大人達の役割だよ」と大人に発破をかける。でも大人たちは過去の歴史を知っているから怖い、でも子供達はまだまだ知らない事も多いからその恐怖感がない。そのギャップによって対立する場面も興味深い。でも彼等の戦いは、一人では成し得なかったし、一つのフリーダムソングだけでも語りつくせなかった。
オープニングから年代が行ったり戻ったりとするのが分かり難いが、1960年代の南部の緊迫した雰囲気が映像からは伝わる。
オーウェンと父のウィルは勝利を手にしても、2人で白人専用のバス待合所で「強くてブラック」のコーヒーを淡々と飲む。「やっぱり不味かったな」と言い店を後にする。彼らのフリーダムソング、本当に大声で歌える日は、いつやってくるんだろうか...
(Reviewed >> 4/16/02:TV放映、1/27/08:DVDにて鑑賞)