●● レビュー
What happens to a dream deferred?
ウォルター(シドニー・ポワチエ)とルース(ルビー・ディ)の夫婦は、1人息子のトラビスに加え、ウォルターの母レナ(クローディア・マクニール)と妹のベニーサ(ダイアナ・サンズ)と5人で父が残してくれたシカゴの小さなアパートに住んでいた。父が亡くなった為に保険金10万ドルの小切手が送られてくる筈だった。ずっと車の運転手をしているウォルターには友人と酒屋を開くのが夢で、そのお金を資金にあてにしているのだが...
変わったタイトルだと思いませんか?太陽を浴びているレーズン。元々レーズンは干してあるもの。タイトルは、ハーレム・ルネッサンスを代表するラングストン・ヒューズの詩からつけられたようです。元々は「夢が引き伸ばされたらどうなるの?太陽の下にある干しブトウのように干からびるの?それとも傷口のように化膿するの?...」と続きます。黒人が置かれた状況や怒りが想像出来る詩です。この映画の干しブドウは、シドニー・ポワチエが演じたウォルターの事。この作品のポスターのように時には太陽で栄養が得られたように明るく、時には干からびた主人公を全身で表現しています。その太陽とは母であり家族。とは言え、後の自分の自伝で語ったように、舞台の時に母親役のクローディア・マクニールと衝突して舞台を降りています。監督も舞台の時には黒人のロイド・リチャーズでしたが、映画版では変更になっています。ロレイン・ハンスベリーの脚本も若干書き直しを余儀なくされたらしいですが、キャストだけは舞台と同じ(トラビスを除く)。オリジナルの舞台を見たことは無いので、比較は出来ないですが、色々な資料を元に想像すると若干人種問題の部分は縮小された印象を受けますが、それでもこの作品の良さは残っているように思う。その良さが、黒人労働階級の声。その声が台詞に姿を変えて、この映画に集まっている。
映画を見た後に、ラングストン・ヒューズのオリジナルの詩もあわせて詠んでもらいたい。台詞やシーンの一つ一つと上手く重なり合うのを感じる事になるだろう。
(Reviewed >> 11/23/01:ビデオ、1/2/08:DVDにて鑑賞)