●● レビュー
Oh,my God...
見た後に思わず出た言葉。今まで寝ていたのに、突然バットで殴られて起きた時って、こんな感じなんじゃないかって思う。最初から、最後まで、これでもかって位に、心を鞭で叩かれているかのように、その流れている映像が、私の心をむしばむ。愛いされる事のなかった男は、愛する術を知らない。自分の息子ですら、愛する事の出来ない男。その愛されなかった息子は、必死で他人から愛されるようにと、優しい心を持った青年になった。そんな息子を、歯がゆく思う父。そして、それを当然のように見ていて、自分の枠に縛り付けようとする祖父。それとは違う所で、愛し愛されながら、距離が出来てしまった家族。その女は、愛する事が出来ても、上手く本人に表現出来ない。その息子は、その女と自分の父の愛を感じながらも、その距離のせいで、不安になり食べる事で快楽を覚えた。そして、その父は、自分の犯した罪のせいで、家族に距離を作ってしまう。愛するって事は、嬉しさ2倍と良く言うが、その分、哀しみも2倍だったりする。現実って、かなり残酷。その残酷な所をこれでもかって位に、映像化していた。だからと言って、観客の心を暗くする作品でもない。むしろ、前向きにさせてくれる作品だ。何といっても、主演のハル・ベリー、前評判以上に素晴らしい。こんなベリーを見た事ない。あんな体当たりで演じていた彼女を恋しく思った。そして、ヒース・レッジャーの息子役、ピーター・ボイルの祖父役、ビリー・ボブ・ソートンの感情のない男の役、どれを取っても最高級作。私が、目を釘つけになったのは、ショーン・P.Diddy・コムズとモス・デフの2人。コムズは、最後の最後まで愛情たっぷりな父親役には、かなり泣かせてもらった。正直、泣いている自分が信じれられなかったが、涙の向こう側には、やっぱりコムズが居た。そしてモス・デフの暖かい演技で、心が和む。それは、ベリーとコムズの息子を演じたコロンジ・カルホーン君もしかり。彼が出ると画面が和む。
Oh,my God...冒頭に書いたように、私が見た後に一番に浮かんだ言葉。私も、愛について目を覚ます時がやってきた。
(Reviewed >> 2/9/02:劇場にて鑑賞)