●● レビュー
社会現象とまで化したこの映画だが、どうも私にはしっくりこなかった。もちろん、娯楽性もドラマ性も全て100点満点なのだけど、「マルコムX」という人物を100%描けていたか?と言われると、合格点を挙げているものの、100点満点とは言えない。それだけ、「マルコムX」という人物を知っているつもりでも何でもないのだが、スパイク・リーに映ったマルコムと、私が尊敬しているマルコムとではズレがあったのだ。リーは、どちらかと言ったら、マルコムの青年期の所を細かく描いていたのを見ると、その辺りがリーが尊敬するマルコムなんだろうが、私は、とにかく晩年期のマルコムを尊敬している。その辺に時間を割いてくれなかった事に、ちょっとグレてしまったのだ。でも、映画としてみたら、本当に素晴らしい作品で、100点満点である事は間違いない。デンゼル・ワシントンのマルコムXは、ワシントンの魂に、マルコムが宿っているかのような演技。素晴らしく、力強く、感動的だ。それでいて、マルコムに実際に会った人が、口を揃えて言う「マルコムは、しとやかな人だった」... そんなマルコムの大人の魅力もワシントンは、見事に表現していた。彼の演技は、100点、いや、200点... 満点が何点でも、それの倍の点数である。
スパイク・リーも、「マルコムX」を世に知らしめたという点で、素晴らしい成功を成し遂げたと思う。彼の努力こそが、世にマルコムXの書籍を沢山出版させ、正しい知識を得た人物が沢山生まれたのだ。それこそが、マルコムの言った「By Any Means Necessary」なのではないだろうか?
(Reviewed >> 2/1993:試写会にて鑑賞)
●● サウンドトラック
1. Revolution - Arrested Development
2. Roll 'em - Pete Joe Turner
3. Flying Home - Lionel Hampton
4. My Prayer - The Ink Spots
5. Big Stuff - Billie Holiday
6. Don't Cry Baby - Erskine Hawkins
7. Beans And Cornbread - Louis Jordan
8. Azure - Ella Fitzgerald
9. Alabama - John Coltrane
10. That Lucky Old Sun Just Rolls Aound Heaven - Ray Charles
11. Arabesque Cookie - Duke Ellington
12. Shotgun - Jr Walker And The All-Stars
13. Someday We'll All Be Free - Aretha Franklin