●● レビュー
Black Enough to Hear Me...
ハーレムの一角で「アフリカへ帰ろう」と唱える活動家のディーク・オマリー(カルビン・ロックハート)は、集まる多くの市民からその資金集めをしていた。警官の墓掘りジョーンズ(ゴッドフリー・ケンブリッジ)と棺桶エド(レイモン・サン・ジャック)がその群集の中に居た。その市民から集めた資金8万7千ドルを白昼堂々と強盗する者が現われ、ジョーンズとエドのコンビも追いかけるが...
この映画が当時日本公開された時のチラシには「(黒い鬼才)オシー・デイビス」と書かれている。後から世に出てくるもう1人の黒い鬼才であるスパイク・リーの映画を見ていると、オシー・デイビスに影響されたのが一目瞭然で分かる。壁に書かれたささやかなメッセージ、「お前はマーカス・ガーヴェイかマルコムXになれたかもしれないのに」という台詞による意思の表れ。そういった一見重くなりそうな物語なのに、オシー・デイビスの作品にはテンポがいい細やかな笑いがある。台詞だけじゃなくって状況でも大いに笑えるコメディ映画なのだ。そしてウィル・スミスとマーティン・ローレンスによる「バッドボーイズ」の遥か前に存在した黒人警官のコンビ。2人の個性の違いが映画にも反映される。それでいて、悪役になるのも黒人で、それにいち早く気がつくのがやっぱり黒人。単純ではない。
そしてタイトルそのものの、南部を象徴するコットンがなぜか遠く離れたハーレムに来る。それによるドタバタも面白いが、コットンを使ったショーをハーレムを象徴するアポロシアターで披露されているのも興味深い。またラストがこれまた痛快。そしてコメディの先駆者であるレッド・フォックスの出てくる間...これが非常に最高のタイミングで登場してくるのだ。
観客はこの黒い鬼才を、ただ黒いだけじゃない事を実感するだろう。
(Reviewed >> 2002、12/29/07:DVDにて鑑賞)
●● トリビア
オシー・デイビスが監督を担当した、コメディアクションムービー。かなり評判が良く、続編「Come Back, Charleston Blue/ハーレム愚連隊」(監督は違う)も出来た。デイビスにとっても、初めてのメジャー監督作品である。原作はチェスター・ハイムズの「墓掘りジョーンズ & 棺桶エド」。
George Aliceson Tiptonによるタイトル曲の「Cotton Comes To Harlem」の歌詞は、オシー・デイビスが書いている。
●● サウンドトラック
1. "Cotton Comes To Harlem" - George Aliceson Tipton
2. "Ain't Now, But it's Gona Be" - Melba Moore
3. "Salvation" - Melba Moore
4. "Down in my Soul" - Leata Galloway
5. "Going Home" - Sakinah Muhammad and Leata Galloway