●● レビュー
いきなり軽快ながらも力強いグラディス・ナイト&ザ・ピップスの曲でタイトルが始まる。その曲そのままの主役を演じたダイアン・キャロルが登場したその瞬間に私は彼女の演技に釘付けになった。母である自分の姿と、ああなりたいという母としての理想像が、その一瞬にあった。彼女演じるクローディンは、女性である前に母である事の多かったが、ジェームズ・アール・ジョーンズ扮するループに出会ってから、クスクスと良く笑う女性になる。そんな彼女の姿が同じ女性として愛しく感じる。そして、子供達が反抗しながらも心配する姿には、母として胸が詰まる。一人前の男でありたいと願うループの姿も、力強い。
監督も脚本家もループの言葉使いやクローディンの長男チャールズの言葉使いを、少しステレオタイプ化したジャイブトークだったのが気になる。設定自体も、女性が6人もの子供を一人で育て、生活保護を受けて、男性も力仕事のゴミ処理だと、やはりステレオタイプされた設定だと今の時代では思う。しかし、その決して今のような自由に表現できて、やりたい役が出来る状態でないにも関わらず、ダイアン・キャロルの演技は、この映画と同じ境遇の人はもちろんの事、全ての女性にパワーを与える演技だったと感じる。一生懸命父親になろうとしたジェームズ・アール・ジョーンズも演技も然りだ。キャロルとジョーンズの演技が全てを可能にした。そんな力強い作品。
(Reviewed >> 3/10/03:DVD)