●● レビュー
Electrifying Chicago Blues
ポーランドから来たレナード(エイドリアン・ブロディ)は、シカゴの黒人コミュニティのサウスサイドにマコンバというクラブを経営していた。そこでは黒人ミュージシャンが演奏を競っていた。レナードはレコードレーベルを買い取り「チェス・レコード」と名づけた。南部の小作人でシカゴに移住してきたミュージシャンのマディ・ウォーターズ(ジェフリー・ライト)と契約した。その頃、ウォーターズは若干17歳の天才ハーモニカ吹きのリトル・ウォルター(コロンバス・ショート)と出会った...
「チェス・レコード」という名前を聞けば、ブルース好きにもロック好きにもたまらない言葉だと思う。デルタブルースが生まれたミシシッピの多くの黒人が、仕事や機会を求め黒人の大移動期に流れ着いた場所がシカゴだった。マディ・ウォーターズはそれをシカゴブルースとして形成した。
ただこの作品は「チェス・レコード」と聞いてたまらなくなる音楽ファンには物足りなさを感じる事になるかもしれない。冒頭では「真実に基づいた物語」と出てくるが、レナードは出て来てもフィルが殆ど出てこなかったりする時点で気がついてもらえると思う。ミュージシャンにしても、サニー・ボーイ・ウィリアムソンIIは出てこない。
しかし映画として立派に人々を魅了してくれると思う。「チェス・レコード」にあったマディ・ウォーターズとハウリン・ウルフのライバル関係の緊張感、ウォーターズとリトル・ウォーターの関係、レナードとエタ・ジェームスの関係等、チェス・レコードの魅力、そして人種差別などの当時の様子を見事に物語にしていると思う。
なんと言ってもこの映画の魅力は「チェス・レコード」の物語と、キャスティングだったと思う。ハウリン・ウルフを演じたイーモン・ウォーカー、リトル・ウォーターを演じたコロンバス・ショート、チャック・ベリーを演じたモス・デフの演技はシカゴブルースに相応しい電撃的な演技だった。
きっとチェス・レコードには魅力的な物語がまだ埋もれている事と思う。この映画は都会的に洗練されて縮小している。しかしシカゴブルースがそうだったように目立つ役者の魅力で多くの観客を電撃的に魅了する事になると思う。
(Reviewed >> 12/07/08:DVDにて鑑賞)
●● サウンドトラック
1. I'm A Man - Jeffrey Wright
2. At Last - Beyonce
3. No Particular Place To Go - Mos Def
4. I'm Your Hoochie Coochie Man - Jeffrey Wright
5. Once In A Lifetime - Beyonce
6. Let's Take A Walk - Raphael Saadiq
7. 6 O'Clock Blues - Solange
8. Nadine - Mos Def
9. The Sound - Mary Mary
10. Last Night - Little Walter
11. I'd Rather Go Blind - Beyonce
12. My Babe - Columbus Short
13. Bridging The Gap - Nas featuring Olu Dara
1. Maybellene - Mos Def
2. Forty Days and Forty Nights - Buddy Guy
3. Trust In Me - Beyonce
4. Juke Soul - Seven;Kim Wilson
5. Smokestack Lightnin' - Eamon Walker
6. Promised Land - Mos Def
7. All I Could Do Was Cry - Beyonce
8. My Babe - Elvis Presley
9. I Can't Be Satisfied - Jeffrey Wright
10. Come On - Mos Def
11. Country Blues - Jeffrey Wright;Bill Sims, Jr.
12. Evolution of A Man - Q-Tip;Al Kapone
13. Radio Station - Terence Blanchard