●● レビュー
Love, Reign O'er Me
アラン・ジョンソン(ドン・チードル)は、NYに越して来てからも歯科医として成功し、美しい妻と可愛い娘と共に、不自由ない生活を送っていた。だが、そんな生活にも、何か物足りなさを感じていた。ある日、車を運転していたアランは、歯科の勉強をしていた時のルームメイトであるチャーリー・ファインマン(アダム・サンドラー)を見かけた。チャーリーは気付かず去ってしまったが、アランは新聞記事で読んだチャーリーの悲劇の事が気になっていた。アランは、また偶然にチャーリーを見かけて...
9/11は多くの人の命を奪った。それと同時にその何十倍もの家族や友達の大事な物を奪った。多くの9/11関連の映画が製作されたけれど、ここまで人の内面にまで踏み込んだ映画はあっただろうか?
チャーリーは特別なラブストーリーや思い出を、亡くなった妻と共有している訳でもない。普通に愛し、暮らしていた。それは、キッチンのリフォームについて話していた妻の話を切ってしまった事からも、察する事が出来る。それはアランも同様で、情熱的な浮気の誘いを断る位に妻を愛しているが、何か満たされない物を感じている。チャーリーは、アランが自分の家族の事を全くしらないので、家族がまだ居なかった学生時代に戻る事で、全てを忘れようとしている。アランは、そんな自由なチャーリーを見て、ついつい学生時代に戻り、現実を忘れようとしている。2人は、お互いを必要とする最高の時に出会ってしまった。そして、NYのシンボルだった大きな壁は無くなってしまったかもしれないが、それでもまだNYの町は大きな壁に覆われている。
当たり前だった事が、全て目の前から消えてしまう。テロという名の元で、ある者は自分の宗教をまっとうする為、ある者はお金の為、ある者は自分が信じる者の為... 多くの人の命が奪われた。テロだけじゃない、人を殺すという行為は、それよりも何十倍もの関わった人の大事な物を全て奪うという事。命を奪えても、関わった人々の記憶にはずっと残り、その記憶は人々を傷つける。
初めてアメリカの傷を見た気がする。何となく、今まで強がって隠していた部分があって、それを初めて正直にさらけ出した映画だ。こんな風に正直に会話してくる映画には、こちらも素直に耳を傾けたくなる...
(Reviewed >> 10/15/07:DVDにて鑑賞)
●● サウンドトラック
1. "Love, Reign O'er Me" - Pearl Jam
2. "How To Save A Life" - The Fray
3. "All These Things That I've Done" - The Killers
4. "Simple Man" - Graham Nash
5. "Out In The Street" - Bruce Springsteen and the E Street Band
6. "Drive All Night" - Bruce Springsteen and the E Street Band
7. "The Birds of St. Marks" - Jackson Browne
8. "Stop Your Sobbing" - The Pretenders