●● レビュー
ギャングと平和。
ギャングと平和は「戦争と平和」という言葉と同じように、歯がゆい。平和を望むのに、戦うという矛盾。この映画でも、LA最大のギャング集団「クリップス」の創設者である、スタンリー・トゥッキー・ウィリアムスが、「クリップス」設立について説明する。「コミュニティを守りたかった」と語る。歯がゆいのだ。それでも、最初の頃(彼が高校生頃)には、銃など使わず、腕やチェーン等のみで戦っていたという。暴力がエスカレートして、銃が出てきた(使い始めたのは、敵対していたブラッズ)。死をいつも目の前にしていた男が、終身刑をもうすぐ迎えるのではないかと、おどおどする。歯がゆい。タイトルでもある「Redemption(償い)」という文字を楯に生き延びようとする。しかし、償う為に男は懸命に努力する。
その男の償いに力を貸す女性が、なぜ彼を救うかという点になった時の台詞も歯がゆい。
アメリカ文化史の研究をしている越智道雄氏の文献の言葉を借りれば「父親のいる家庭の代役としてフッドという組織にすがろうとする」。この作品には、「クリップス」という一番有名なフッドを生み出したウィリアムス自身の、そんな経験が伺える。けれど、私達観客がスタンリー・トゥッキー・ウィリアムスに踏み込める、何かが、もう一つ欲しかった。ジェイミー・フォックスの最高の演技を持っても、何かが一つ足りなかった。演出、台詞...それらがもう一つあれば、私達はトゥッキーの核心に迫れた。
「償い」という言葉は、その男の為にあるのか、被害者の為にあるのか...(映画は彼が無罪だと信じているのだろう)矛盾を感じる。
(Reviewed >> 8/17/04:DVDにて観賞)
●● サウンドトラック
1. "Come to Me" - Heather
2. "Wait on Me" - Heather
3. "Angel Wings" - Fred Capitelli
4. "Journey Home" - Fred Capitelli
5. "We Will Dream" - Alexia Seiler
6. "My Special Person" - Cassie Stafford
7. "Come Back Baby" - Heather
8. "In Your Rythyme" - Katie K.
9. "What Cha Claimin' (O.G.)" - the Rhyme Poetic Mafia