●● レビュー
"Tragedy, right?"
警察官のジョン・オセロ(イーモン・ウォーカー)とデジ―(キーリー・ホーズ)は愛し合っていた。彼女の寝顔を見るのがオセロは大好きであった。プロジェクトで起きた警官たちによる黒人暴行、そして死亡させた事で住民たちは暴動化していた。そこにオセロが登場し、住民を鎮静化させる事に成功。それはちょうどコミッショナーが差別的な発言を為に辞職し、次期コミッショナーには黒人とアジア系を起用すると発表していた頃の出来事だった。オセロと仲のいいベン・ヤーゴー(クリストファー・エクルストン)は昇進に意欲的で期待されていた。しかし首相はジョン・オセローをコミッショナーに抜擢。ベンはオセロの唯一の相談者だと思わせておいて、実は嫉妬に狂い様々な事を仕掛けるのであった...
黒人エンタメ好きには避けては通れないシェイクスピアの4大悲劇の一つ『オセロ』。黒人舞台劇のトップであり、かつてはポール・ロブソンからジェームス・アール・ジョーンズまでブロードウェイでオセロを演じており、オセロを演じるのは一流俳優の証でもあると言える。今回は現代に舞台を移して悲劇のオセロに迫る。オセロを演じるのは貫禄十分のイーモン・ウォーカー。その存在感はイアーゴーとなるヤーゴーを嫉妬させるだけの説得力があった。そしてそれ故に愛と嫉妬で悩む事に悲劇を感じる。そしてヤーゴーのクズ感も最高で、『ドクター・フー』のクリストファー・エクルストンがとてもいやらしく演じており雰囲気が最高であった。ただ、古典『オセロ』のハンカチという古典らしさと詩的な部分が欠如していたのは寂しさを感じる。
同性愛者的な事など、かなり今風を上手い事この古典悲劇に絡めていたのが非常に面白く新鮮であった。やはりこのような古典は役者魂に火をつける。というのが良く分かった作品でもある。
(Reviewed >> 3/10/16:DVDにて鑑賞)