●● レビュー
Brooks' Revenge
ルーサー・ブルックス(シドニー・ポワチエ)は黒人として初めて郡病院で医者として働いていた。理解のあるウォートン先生の下で、刑務所病棟を担当していた。強盗犯のビドル兄弟が警官に銃で足を撃たれて運ばれてきた。兄のレイ(リチャード・ウィドマーク)はブルックスに対して最初から憎悪を露にした。弟のジョニーの具合が著しく悪かったので、ブルックスは検査をするが死んでしまう。レイはブルックスが故意に殺したと主張する...
シドニー・ポワチエとオシー・デイビスのデビュー作として歴史に名を刻んでいる作品。ポワチエはデビュー作にして主役級の役どころ。このデビュー作にして、それ以降の彼のキャリアが見え形成されているように思える。
この映画が公開された1950年と言えば、まだまだ公民権運動の夜明け前。1954年にブラウン対教育委員会裁判、1955年にモントゴメリーバスボイコットだった事を頭に入れると、この映画が先に行っている事が十分に伺えると思う。中でも私をビックリさせたのが、ポワチエ演じるブルックスを面倒見ているウォートンと病院の幹部の会話である。病院の幹部は「私は黒人を支持している。来年になったら(黒人医師を)1人とは言わず2人雇っても構わない」という。1950年という事を考えると、それでも随分考えていると思われる。しかしそこで終わらない。ウォートンは「私は違う。私は良い医者を支持しているのだ。黒人だろうが白人だろうが水玉模様だろうが構わんよ」と言うのだ。キング牧師も登場していないのに「個々の性格にて判断」されているのだ。
更に続く。ブルックスとレイのラストシーンは、壮絶だ。ブルックスは医師としての自分の面目を保ち、黒人としての自分の復讐を十分に果たしていると思う。あのレイにとっての屈辱は憎悪を抱いていた黒人の手により救われ生きていくという事なのだから...
この映画の意味に畏敬の念を抱く。そしてシドニー・ポワチエやオシー・デイビス、ルビー・ディの存在の偉大さに改めて気づく。そしてウォートンような人々の支えがあった事も忘れてはならない。
(Reviewed >> 12/01/08:DVDにて鑑賞)