出来るって聞いた時から、絶対に面白いだろうなーって思っていたんだけど、本当に最高に面白かったですわ。なんで面白いかと確信していたかと言えば、そりゃRZAが監督するからですわ。RZAと言えば、90年代のヒップホップの象徴的な人物で、その90年代を代表するウータン・クランのメンバーでリーダー。それだけじゃなくて、RZAはカンフー映画の超マニアとしても知られている。うちの夫もRZAとはそんなに変わらない同世代の人だけど、この年代の人はカンフー映画に慣れ親しんでいる人が多い。というのも、TVでカンフー映画が沢山やっていた時代に子供世代だったのです。毎週、教会帰りの時間帯になると、なぜかカンフー映画が放送していたと、義母も先日言っていた。
実は
RZAの本「Tao Of Wu」を前に読んだ。
この本にはどんなカンフー映画を観てRZAがどのように育ったのかが書いてある。その本を読んでいると、この映画の概要がつかめる。本で書いていたことが見事に映像になっているという感じなのです。クリスチャン、モスリム、道教、仏教、そしてカンフーにアニメにと精通しているRZAが見事にそれらをミックスしているのですわ。鮮明な血吹雪はクェンティン・タランティーノの影響でもあるけど、日本人なら北野武も思い出しちゃうよね。対戦シーンのカット割りは日本のコミック本のよう。そしてRZAとかバウティスタとリック・ユーンのキャラクターはRZAが好きな「
Five Deadly Venoms / 五毒拳 (1978)」ぽいよね。しかもさ「燃えよドラゴン」のあの超有名な鏡のシーンをほぼそのまま使っちゃう辺りは、RZAだから許される的な所あるでしょ?他の人がやったら、非難ゴーゴーよ。そしてそれだけじゃなくて西洋のカーボーイ的なラッセル・クロウのキャラクターも面白かった。実際にラッセル・クロウはクリント・イーストウッドの映画を手本にしたらしい。あの役をカーボーイぽいなって観客にすぐ思わせるラッセル・クロウの技も凄いよね。実はルーシー・リューもかっこよくて、彼女の役もカーボーイズム溢れる役なのよ。エロい中国娘達は、ラップのミュージックビデオぽいよね。
何よりもさ、これ観た後に思わず「あっちょーーー!!」って空手チョップよ。頭の中には予告編で使われていた「Carry It」(サントラには入ってないのね…)の曲が鳴り響いてた。何か久々に懐かしいカンフー映画を観たなーっていう感じと、さすがヒップホップのRZAだなっていう2つの別の物を感じる。なんでブラザーがあの時代に中国で何してるんだよ!って突っ込みたいだろうけど、ちゃんと劇中で明らかにしてるし、割りと納得出来るのよ。何よりもタイトルの「アイアン拳」になるっていう物語が、切なくてブラックスプロイテーションそのものだったりする。パム・グリア嬢の出番が少ないのが残念だけど、この映画実際には4時間くらい撮ったらしい。編集で1時間40分ほどにまとまっている。なのでDVD版が早くも楽しみ!エンディングでチラっとパム嬢の別シーンも観れたし。