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●● 100本映画 "What a world for the lonely kindSometimes I feel I'm gonna lose my mind Can anybody tell me just where to find Any love, any love?" ー Luther Vandross "Any Love" ルーサー・ヴァンドロスの名前を聞くだけで、私は甘酸っぱさで胸が一杯になるソウル好きだ。自分の若い青春の頃を思い出すだけでなく、ルーサーという稀代の歌手を正当に世間は評価していなかったんじゃないかという考えがそうさせる。いや、ちゃんと評価されていた。だがもっともっと評価されても良かったんじゃないかと今更ながらに感じてしまう。「稀代の歌手」も、今や星の数ほど存在している。ルーサーの場合、歌手というだけでなく、コンポーザーとしても優れていたし、プロデュースやバックボーカリスト、とにかく音楽に関することにはマルチで優れていた。何と言うか、ルーサーを上手く表せる言葉が見つからない。そんなルーサーのドキュメンタリーを、俳優・歌手であるジェイミー・フォックスが製作総指揮。監督には、以前に公民権運動家ジョン・ルイスのドキュメンタリー『John Lewis: Good Trouble / 日本未公開 (2020)』を制作したドーン・ポーターが担当。サンダンス映画祭でプレミア公開後にCNNとオプラ・ウィンフリーのTV局OWNが放映権利を獲得してTV放映された。 ルーサー・ヴァンドロスがライブリハーサルで歌いながら色々と指示を出している。実際のライブ映像に移り、そしてルーサーに近かったマーカス・ミラーやナット・アダレイ・Jr.などがルーサーを語っていく。 切ない。やはり世間はルーサーを正当に評価できていなかった。それ故にルーサーが蝕まれていたことが、このドキュメンタリーで一番に感じる。音楽とは全く関係ない彼の体重の変化、そしてプライベート。彼の体重がどう変化しようと、どのような生活スタイルでも、彼の唯一無二の美しいテナーは微動だに変わらない。プライベートに関しては、ファンのために何も触れなかったことが分かる。誰よりも恵まれた歌うという才能で、人々を鼓舞することを一番に分かっていたからだ。そんなルーサーがとても愛おしい。人それぞれに流儀があって、それで良い。彼の歌を聴ければ、私達は幸せだ。だけどやっとグラミー賞という一番の場所で評価された時に、その喜びを隠さなかったルーサーが愛おしい。人間ルーサーを見た気がして安心した。 ここまで観ても、やはりルーサー・ヴァンドロスに相応しい説明や二つ名や異名が今でも見当たらない。史上最強のミュージシャン、もう2度とは現れない天才ソングライター、歌に愛されたシンガー、歌の神から祝福された歌手... 大袈裟に聞こえる二つ名ですら、どれもルーサーには粗末で足りない。だが、本作のお陰で、愛おしい人間ルーサー・ヴァンドロスをホンの少しだけ観れた気がする。 (1906本目) (Reviewed >> 8/13/25) |
●● トリビア サンダンス映画祭でプレミア公開された後に、ニュース局CNNとオプラ・ウィンフリーのTV局OWNが放映権利獲得し放映。 |
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●● インフォサイト https://www.imdb.com/title/tt10850320/https://en.wikipedia.org/wiki/Luther:_Never_Too_Much Not available from Allcinema |
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