●● レビュー
Footsteps in the garden
1965年ロサンジェルスの黒人移住地区ワッツにて大きな暴動が起きた。地域手で活動家として活躍していた若きリチャード(セドリック・サンダース)は、仲間に呼ばれ参加した所、何もしていないのに逮捕された。リチャードは夢だったコンピューター会社への就職も決まっていたので、無実を戦うつもりだったが、弁護士の説得で母が以前から希望していた神学校で2学期学ぶ事で司法取引され執行猶予となった。その神学校でリチャードは学校初の黒人学生となった。学校で用務員をしているサミュエル(ルイス・ゴセット・ジュニア)がリチャードにアドバイスするのだった...
実際にロサンジェルスであった話である。あのワッツ暴動が1人の青年の運命を変えてしまった。いや最初からこうなる運命だったのかもしれない。60年代という年代がこれまた面白い。「黒人初」というプレッシャーを抱えている主人公。最初親切な学長からはジャッキー・ロビンソンやマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師のようになるように仕向けられる。しかし若い主人公には耐えられない。あれが普通なんだと思う。キング牧師やロビンソンの忍耐力を改めて知らされる。そんな時に現れるのが、ルイス・ゴセット・ジュニアが演じた経験豊富な男性サミュエル。主人公に説教もするけれど、もっと奥の懐にも入ってくる。あの時主人公が一番必要としていた物をサミュエルは与えた。難しいのにそんな燻し銀な演技をサラりとみせるのがゴセット。
この主人公のモデルとなった本物は、後に「サミュエルはジーザスそのものだったよ」と語っている。やっぱりサミュエルが主人公の下に現れたのも、決められていた運命だったのかもしれないと思う。
(Reviewed >> 12/7/10:DVDにて鑑賞)
●● トリビア
公民権運動時代に実際にあった話。黒人大学を卒業した若者リチャードが、1965年のワッツ暴動の際に誤って逮捕された。その際に差別に満ちた白人だけの神学校で2学期を過ごす事を謹慎として科せられた。学校にとっての初めての黒人学生として校長からは迎えられたが、彼のリーダーとしての素質が仇となり、謹慎を破ったとの事で、リチャードは刑務所行きに直面する。そんな時に出会ったのが、学校の掃除人をしている黒人の老人で、リチャードを変えていく。
主役のリチャードを演じるのは舞台などでNAACPも受賞し期待されている若手のセドリック・サンダース。リチャードの影響を与える老人役にアカデミー賞助演男優賞受賞のルイス・ゴセット・ジュニア。
モデルとなった人物は現在サンフランシスコの神学校で教授をしているチャールズ・マークス牧師。名前は変えられている。しかしルイス・ゴセット・ジュニアが演じている世話になったサミュエルは実際にもサミュエルである。