●● レビュー
人生の忘れ物
アメリカ南部の寂れた町に住んでいるDJay(テレンス・ハワード)は、3人の女性と同居しているうだつのあがらないピンプ。ある時、昔一緒にラップをしていたSkinny Black(リュダクリス)が、ラッパーとして成功している事を知った。そんなSkinny Blackの姿をテレビで見かけたDJayは、自分の夢が突如戻ってきた。そんな時に偶然に元プロデュースをしていたキース(アンソニー・アンダーソン)に出会う。DJayは、キースの家に行き、自分のラップを聴いて欲しいと頼む。DJayのラップを聴いたキースにも、自分の夢を思い出し、プロデュースを快諾するが、彼らのアルバムが出来るまでには多くの困難が待ち受けていた。
30代に突入した今、この映画を見た後は辛くて辛くて仕方ない。普段は幸せを感じている私ですら、辛いのだ。幸せだけれど、夢は達成されていない自分に、自問自答を繰り返す。一体何人の人が、自分の夢を達成出来たのだろうか?私もこの先、まだ夢を実現するのが可能なんだろうか?
この映画の主人公DJayのように、夢を追う決意をしてみたけれど、叶わないのが現実だ。映画を見ていると、また自問自答したくなるのだ。
作品自体は、その内容からエミネムの「8マイル」と比べられる事が多いようだ。同じようにラップでの成功ストーリーになるが、「8マイル」では、主人公のトラブルとか苦悩がメインだったように思えた。今回は、それにさらに加えて、どうしてラップを始めたのか、どのようにして主人公がラップを仕上げたのか等、ラップについてのストーリーが詳しく物語りに付け加えられている。また、そのエピソードが、手作りのスタジオだったりするので、余計に観客の心を抉る。なので、観客は主人公の気持ちをスクリーンから汲み取る事が容易だ。さらには、アメリカ南部の雰囲気がよく出ているので、アメリカ南部もの映画としても十分に面白い。
そして夢を追うのが、主人公のDJayだけでなく、その手伝いをするプロデューサーのKeyという存在もいる。そのKeyがDJayとは対照的で、家庭と仕事を持ちながらも夢を追う。彼も多くの問題を抱えながらも、文句言わずに黙々と仕事しつつ、手作りスタジオを作る楽しげな姿は、日本のリーマン達も共感出来るのではないだろうか?
人生の忘れ物に気づく30代。私たち日本人と環境こそ違えど、夢をいまだにもつ30代の人々には、十分に共感出来る物語。
(Reviewed >> 10/9/05:劇場にて鑑賞)
●● サウンドトラック
1. "Whoop That Trick" - Terrence Howard
2. "It's Hard Out Here for a Pimp" - Terrence Howard feat. Taraji P. Henson
3. "Hustle and Flow (It Ain't Over)" - Terrence Howard
4. "Still Tippin' (It's a Man's World Remix)" - Mike Jones featuring Nicole Wray
5. "I'm a King (Remix)" - P$C feat. T.I. & Lil Scrappy
6. "I Choose You" - Willie Hutch
7. "Jesus is Waiting" - Al Green
8. "Baby Please Don't Leave Me" - Buddy Guy
9. "Way I'm Sleeping" - Jason Freeman
10. "Swerve" - Lil' Boozie & Webbie
11. "After Hours Blues" - Calvin Newborn
12. "Let's Get a Room" - Nasty Nardo
13. "Get Crunk, Get Buck" - Al Kapone
14. "Kill or Be Killed" - Al Kapone
15. "Under the Mountain" - Jason Freeman
16. "Changed Muh Name" - Jennifer Bynum Green
17. "Pop It for Some Paper" - Terrence Howard
18. "If Loving You is Wrong (I Don't Want to Be Right)" - Luther Ingram
19. "Tell Me Why" - 8Ball & MJG
20. "Edwin's Lament" - Mark Lemhouse
21. "Full Time" - Yo Gotti
22. "Bad Bitch Remix" - Webbie featuring Trina
23. "Lil' Daddy" - Young City a.k.a. Chopper
24. "Always a Song" - Planet Swan
25. "Morning Light" - Adriana Evans
26. "Weatherman" - Adriana Evans