●● レビュー
映画にしか出来ない事
シカゴの貧困地区に住む、アーサー・エイジーとウィリアム・ゲイツは共に14歳。2人は、NBA選手になって貧困から逃れるという同じ夢を共有する。その2人は同時に、NBAのスーパースターであるアイゼイア・トーマスが卒業した郊外のセント・ジョセフ高校に入学する。大学までの4年間は、彼等にとって様々な困難が待ち受けていた...
タイトルの「Dreams(夢)」が、重く圧し掛かる。何人の人が、自分が14の時に思い描いていた「夢」を達成出来たのだろう?
有名高校に進むという第一関門を達成した2人。有名高に行き目立てば、大学からのスカウトの目に留まる。大学に進み活躍したらNBAのスカウトから声がかかる。そこには、多くの大人達が14歳の少年たちに関わる。自分の夢を託す親と兄弟、少年達をお金儲けの道具にしている大人達。14歳の少年達は、徐々にカメラに慣れていき、恐ろしい程にカメラを通して成長していく。時には、大人の行動に傷つき悩みながら。
時代やカルチャー、人種だけでは語れない、2人の人生そのものに、観客の私達は釘付けになる。あの華やかな舞台は、こういった少年達の夢が支えていると同時に、その影では大人達が多くの少年達の心を傷つけていた事に。
映画を見た後に、ジックリ考える。ジックリ誰かと話してみる。文献をジックリ調べてみる。スポーツを見て興奮し感動するのとは、また違う感動と興奮、そして何かもっと凄い上の物を、この映画はカメラによって観客に与えてくれる。
(Reviewed >> 6/24/06:DVDにて観賞)
●● トリビア
PBS(アメリカの公共放送)の為の短い30分のドキュメンタリーを撮るつもりだったスティーブ・ジェームス監督が、そのまま4年間に渡り250時間も2人のNBA選手を夢見る高校生バスケットボール選手を撮り続けたドキュメンタリー。
アカデミー賞のドキュメンタリー部門にすらノミネートされなかった為、次の年からノミネート基準方法を変えた程。
この映画の舞台ともなったシカゴの新聞社で映画の評論を続けており、アメリカ映画評論でもナンバーワンの知名度を誇るロジャー・エバートと相棒のジーン・シスケルと共に地元の知り合いからまだディストリビューターも決まっていなかったので関係者以外には見せていなかったこの映画を観て感動し、サンダンス映画祭への出展が決まっていたので、本当はルール違反だが二人で映画の批評を先に書き、結果多くの人々がサンダンス映画祭で見る事になりサンダンスでは観客賞を受賞した。ロジャー・エバートとジーン・シスケルはその年のナンバーワン映画にこの作品を選び、ロジャー・エバートは1990年代のベスト10にも選出。ジーン・シスケルは1999年に亡くなっている為に、1990年代のベストを選んでいないが、23年間の相棒であるロジャー・エバートは生きていたらきっとこの作品を彼もあげていただろうと話している。
●● サウンドトラック
1. Hoop Dreams - Ben Sidran, Tone, Paul Peterson
2. Tarveling Music - Ben Sidran, Paul Peterson
3. The Orignal Lesson - Ben Sidran, Paul Peterson
4. The Float - Ben Sidran, Paul Peterson
5. The Tide (Keeps Lifting Me) - Ben Sidran, Paul Peterson, Phil Upchurch, Pops And
6. Above The Rim - Ben Sidran, Paul And Ricky Peterson
7. Low Post - Rufus Reid, Carl Allen, Bob Malach And Ben Sidran
8. Fast Break - Tone (aka Deacon), Eric Leeds And Paul Peterson
9. Under The Knife - Ben Sidran, Ricky Peterson, Billy Sheill
10. Junior Moved - Jerry Alexander
11. Walking The Walk - Ben Sidran, Paul And Ricky Peterson
12. Face - Rufus Reid, Carl Allen, Bob Malach And Ben Sidran
13. Sweet Dreams - Ricky Peterson