●● レビュー
Memory is selection of images...
イブ(ジャーニー・スモレット)は10歳。町医者の父ルイス(サミュエル・L・ジャクソン)と美しい母(リン・ホイットフィールド)としっかり者の姉シシリー(ミーガン・グッド)、弱虫の弟とおばあちゃんとで、ルイジアナのバイユー(よどんだ入り江)のそばにある大きな家でブルジョア生活を送っていた。あるパーティの夜、イブは父とダンス出来なかったのでふてくされて、倉庫の馬車でうとうとしていたら、父と知り合いのミセス・メローが入ってきて...
「記憶とはイメージの選集で、とらえどころの無いものもあれば、他は消えないように脳に焼き写される」...ルイジアナのバイユーは映像からも一目瞭然なように、何か得体の知れない不思議なパワーが宿っている。そしてオープニングの言葉も、そのパワーが宿っているかのような、詩的で美しくそして力強い言葉で始まる。物語もバイユーのようにどこかよどんでいて、秘めた部分が多い。そんな部分を、10歳でまだ何もしらないイブを通して物語を進めていくのが興味深い。そしてこの映画では、あくまでも女性の秘めたパワーを意識して作られている。サイキックの力をもった人や、ブードゥの力のある人...全てが女性。姉の生理というエピソードもある意味、女性のもったパワーなのかもしれない。父親という存在を、娘と母親で嫉妬し合うのも、女性だけの物かもしれない。
男性については、父ルイスでなくハリー叔父さんがイブの思い浮かべる男性像を象徴していたようで、彼の死後から問題は急速に出現してくる。イブは大人になった現在でも「私が殺した」と思い続けている。プレイボーイの父の威厳は、きっと生きていても守られる事はなかったように思える。いつかは分かる事。
記憶とは残酷で、覚えておきたくない事程、鮮明に焼き写されている。残念ながら事実ばかりを写し残してもくれない。しかし、この映画は不思議なパワーによって鮮明に記憶に残るだろう...
(Reviewed >> Unknown:ビデオにて鑑賞、10/3/07:DVDにて鑑賞)
●● トリビア
60年代のルイジアナが舞台のドラマ。女優でもあり、女流監督のカシー・レモンズが指揮をとった。この映画がきっかけかどうかは分らないが、本作品にも出演しているフォンディー・カーティス=ホールと結婚している。出演には、「パルプフィクション」のサミュエル・L・ジャクソン、「バットフェロー」のリン・ホイットフィールド、「ハリケーン」のデビ・モーガン、「愛しのクローディン」のダイアン・キャロル、「星の王子NYへ行く」のフォンディー・カーティス=ホール、「ゲット・オン・ザ・バス」のロジャー・G・スミス、「ER」のリサ・二コール・カーソン等。
アメリカの権威ある映画評論家ロジャー・エバートは、本作品を1997年度のベスト1と称し、本作品がアカデミー賞にノミネートされなかったら、オスカー会員を疑う(実際に選ばれていない)とまで評価した。
●● サウンドトラック
1. Main Title
2. Carriage House
3. Cisely's Take
4. Enter Mozelle's House
5. Crossing That Bridge
6. The House
7. Mozelle In The Mirror
8. The Bus
9. Another Dead Snake
10. Eve's Paradox
11. Mozelle's Theme
12. Goodnight Daddy
13. Eve's Voodoo
14. She' Barren
15. Just Another Man
16. We're Going To Elzora's House
17. Elzora And The Stranger
18. Cisely's Version
19. Louis' Version
20. Louis Dies
21. The Funeral
22. The Family
23. Eve's Suite