●● レビュー
Fell into vicious circle
ブルータス・ジョーンズ(ポール・ロブスン)は、妻と一緒に南部で暮らしていたが、ニューヨークでプルマン・ポーター(寝台車のボーイ)の仕事を得て、一人列車に乗り込んだ。妻の心配通り、他の女性に魅了されたブルータスは、どんどんと転落していく...
人生何があるか分からないと良く言うけれど、実際に些細な事で人は転落していくのかもしれない。誘惑に負けた主人公のブルータスがどんどんと転落してく様、それは一つの事から始まり、それから悪循環のように悪い方に追い込まれていく。すると次第に生きていく為に、悪知恵の方がどんどんと発達していき、蝕んでいく。その恐ろしい程に変化してく主人公を、ポール・ロブスンは歌を交えて表現していく。最後の10分ほどもある森での1人芝居は圧巻。舞台を忠実にリメイクした訳ではないけれど、もしあの1人芝居を舞台で見たとすると、ポール・ロブスンの声が劇場に浸透して、もっと重圧感や深みがあった事と想像する。
とは言え、やたらとNワードが多いのが気になる。また折角のカリビアンの設定も、どこかステレオタイプ的な物を感じる。
この映画でポール・ロブスンは黒人俳優として始めて「スター」の称号を手にする。ポール・ロブスンの全身全霊の演技と歌は、やはり歴史が作られて当然なのだ。彼にそのパワーが漲っている事を実感するだろう。
(Reviewed >> 10/24/01:ビデオ、1/18/08:DVDにて鑑賞)