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Cast >>Richard Romain (Peter Metoyer), Tommye Myrick (Maria Mathis), Ilunga Adell (Brother), Lloyd La Cour (Mr. Metoyer), Barbara Tasker (Dominique), Carol Sutton (Ms. Mathis), Stephen Severin (Beau), Noray Francis (Blue) ...
Director >>Horace B. Jenkins
Writer >>Horace B. Jenkins
Producer >>Horace B. Jenkins
Genre >>Romance
Country >>USA

 総合ポイント 5点/5点満点中
内容 >>5 演技 >>5 演出 >>5 音楽 >>5

 100本映画
"I'm gonna make something of myself. And depend on me!"

2月のブラックヒストリー月間の時に出会った作品。
なんでも、『Fresh Dressed / 日本未公開 (2015)』や『Burn Motherfucker, Burn! / 日本未公開 (2017)』などの面白いドキュメンタリー映画を作るサシャ・ジェンキンスの父、ホーラス・B・ジェンキンスが、80年代にほぼ黒人クルーで製作したニューオリンズを舞台にした作品らしい。そう知って、これは絶対に観たい!となりました。前にも書きましたが、私に合いそうな作品は、観る前から「これは何としてでも観たい!」と心が高鳴ります。良い予感しか感じなかった。そしてその予感を遥かに上回る作品でした!

ニューオリンズ近郊、ケイン・リバーという川が流れる小さな街。そこは元々、クレオールのマリー・テレセ・コインコインという元奴隷の女性が、クロード・トーマス・ピエール・メトワイヤーと出会い、自由黒人となり、広大な土地を所有していた場所である。そこに大学を終えて戻ってきたのがピーター(リチャード・ロメイン)で、家族や友人らに盛大に迎えられる。大学ではアメリカンフットボール選手として活躍し、プロからもドラフトされたが、本人は詩人を目指していた。立ち寄ったメルローズ・プランテーションでバイトをしていたマリア(トミー・マイリック)と知り合い、意気投合する。2人は恋に落ちるが、ピーターはメトワイヤーの子孫でクレオール。マリアの母は「黒人なのに奴隷を保持していたメトワイヤーは許せないし、クレオールとの恋愛はご法度だ」と、頑なに拒んでしまう。マリア自身もニューオリンズのザビエル大学への進学を目指しており、2人は板挟みになってしまう……

少し長くなってしまいましたが、要するにニューオリンズを舞台にしたロミジュリです! しかも史実を織り交ぜながら、このような面白い作品にしてしまっている。始まりと終わりが同じ場所、というかバス停留所なのも上手いなーと。最後の最後までどうなるか分からないのも面白いし、とても爽快! セリフも凄く良い。ちょうどこの作品を観た頃は、NFLコンバイン(ドラフトに向けた体力・身体テスト)の最中でして、ニューヨーク・ジェッツにドラフトされたピーターが「肉体を物色されているようで嫌だ」と言っていて、私もコンバインについては何となくそんな感じをしていたので、頷くしかなかった。
マリアも、古い価値観の母からの自立を目指して街を出ようとしていた。マリアには兄がいるが、これまた古い価値観の持ち主。そんな環境で育ったが、いや、育ったゆえに、自分のやりたいことを見つけ、マリアの価値観を大事にしてくれる、そして新しい扉を開いてくれるピーターに惹かれていく。
何より、ケイン・リバー周辺の自然や街の空気感がとても印象的で、まるでその土地の記憶そのものを映しているようだった。

てっきりジェンキンス監督が、このケイン・リバー周辺出身なのかと思いきや…… 息子サシャの話では、この頃にはサシャの母と離婚しており、当時付き合っていた女性がケイン・リバー周辺出身で、この話を教えてもらったという。そして、友人関係にあったリチャード・プライヤーが何度か本作を観て気に入り、劇場公開を目指してワーナーに持ちかけたりもしたが実現せず、そのまま公開されないまま放置されていた。やがてホーレス・B・ジェンキンス監督は心臓発作により急逝。葬式ではパリ時代に仲良くなったメルヴィン・ヴァン・ピーブルズが弔辞を読んだという。他にも、親子でヒップホップの話になり、アフリカ・バンバータに出会った時の話をして、『Zulu Funk』というタイトルの映画を作りたいと語ったのが最後だったという。

史実とファンタジー、時代といにしえ、想像と現実、文化と自然…… それらがゆるやかに重なり合い、ケイン・リバーという土地の記憶と共に物語が流れていく。そんな豊かな魅力を持った作品である。
(1919本目)
(Reviewed >> 3/1/26)

 トリビア
『Fresh Dressed』や『Burn Motherfucker, Burn!』などのドキュメンタリー映画を手掛けているサシャ・ジェンキスの父ホーラス・B・ジェンキンスの作品。公開前に心臓発作で亡くなり、公開はお蔵入り。2013年にフィルムが発見され、アカデミー・フィルム・アーカイブにより4Kにリマスターされた。

 リンク
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 インフォサイト
https://www.imdb.com/title/tt0318346/
https://en.wikipedia.org/wiki/Cane_River_(film)
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Last Modified: 2026-03-08
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