●● レビュー
人情ボクシング。
ボクシング映画には、常に人情が付きまとう。あの有名なボクシング映画「ロッキー」に、下町人情が溢れていたのは、誰もが知るとおりだし、「アリ/Ali」にしても、取り巻き人情があり、「ファイトマネー/Great White Hype」は、そのボクシング人情を逆手にとった風刺映画だったように思える。この映画では、メグ・ライアンの人情が炸裂してくれる筈だった。けれど、今回の彼女の演技にはパンチがなかった。守りガチガチ。ジャブが出たのは、彼女が演じた実在する女性マネージャーの派手な衣装と化粧だけ。「めぐり逢えたら」みたいな人情溢れるライアンが見たかった。それに、激しい女性のパワーが、ライアンからは感じなかった。ニコール・キッドマンがこの役演じたらどうなるかな~なんて、思いながらみていた。
面白いのが、普通はこの手の映画だと、ライアン演じる女性の気持ばかりが映画に反映されちゃいがちなのに、この映画には、オマー・エプスが演じた、ライアンと心を通わせる青年の気持がちゃんと反映されていた事。意地悪なトニー・シャローブが、意外性もあっていい。チャールズ・S・ダットン演じるトレイナーからは、十分に人情を感じたし、オマー・エプスとの相性がいい事が十分に分かった。
けれど、映画全体から、ボクシングの人情パワーを感じとれなかった。チャールズ・S・ダットンのいつもの強烈なストレートパンチが見たかった。
(Reviewed >> 6/5/04)